家の外壁塗装工事といえば、何十万円もの費用を要する一大事のため、費用の捻出に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。そんなときに活用したいのが、自治体が用意する助成金・補助金制度です。
今回は、外壁塗装に関する助成金・補助金制度の具体例や主な条件、申請の流れ、注意点などを解説いたします。また市町村の助成金以外にも火災保険や住宅ローン減税を活用できる場合があります。助成金以外でも費用を安く抑えるコツを紹介いたします。
外壁塗装助成金とは?
国・都道府県・区市町村・地域の自治体が、外壁塗装工事に対して一部費用負担してくれる助成金や補助金の制度を実施していることがあります。
令和6年の4月からの横須賀市の外壁塗装の助成金制度はこちらです。
助成金を受け取れる条件
自治体によって定められているので、多少の違いはありますが、ほとんどの制度には下記のような条件があります。
- 申請する地域に営業所がある施工業者に依頼する塗装工事であること
- 税金の滞納(未納)がないこと
- 申請よりも前に工事が着工していないこと
助成金の準備から申請金を受け取るまでの流れ
助成金の申請書を受け取る
各自治体のホームページにてダウンロードが可能です。自治体によっては助成金の申請期間があるため、早めに見積もりをとりましょう。
外壁塗装の見積もりを依頼する
外壁塗装の助成金の申請時には、見積もり書のコピーの提出が必要とされる場合がほとんどです。見積書以外に塗料の性能が証明できるカタログや見取り図・平面図などが必要な場合がありますので、各自治体もしくは塗装業者に確認することをお勧め致します。
各自治体へ必要書類を提出。郵送可能な自治体もございます。
三世代同居を対象とした助成金は、三世代の親族関係が分かる書類の提出が求められる場合が多いです。
自治体による審査後、助成金支給が決定いたします
提出書類の虚偽・不備の有無を確認します。不備がある場合においては不備の有無を確認します。不備がある場合においては再度提出になります
外壁塗装の工事開始
助成金の審査決定をうけて工事を行います。自治体によっては工事中の写真が必要な場合があります。
自治体に実績報告書と請求書を提出
工事が完了したら実績報告書工事が施工業者より提出されます。
交付確定通知書が送付され、指定の口座へ自治体より振り込む流れとなります(実績報告書・請求書の提出時に不備がなければおおよそ2・3週間ほどで振り込まれることが多いです
助成金の交付や金額が決定してから2週間〜1ヶ月程度で助成金が指定口座に振り込まれます。
【一般的に必要な書類】
作業実績報告書・請求書の提出
作業実績報告書や請求書を提出します。一般的に外壁塗装の助成金を受け取るためには、作業前と作業後の2回の書類の提出が必要です。
助成金交付・金額決定の連絡が届き、助成金を受け取る
- 助成金の交付や金額が決定してから2週間〜1ヶ月程度で助成金が指定口座に振り込まれます。
申請する注意点
多くの自治体が申請を先着順で締め切ることがございます。なので、「申し込むのが遅くなってしまって、締め切り終了になってしまった」「書類に不備があり申請できなかった」ということも少なくありません。ここで、助成金・補助金を申請する時に大事なことにについてお伝えします。
- 新年度に変わったタイミングでの申請
多くの自治体では新年度の予算で補助金制度を行っておりますのでお住まいの地域の自治体において制度があれば申請しやすくなるため。 - 事前申請が必要な場合が多い
原則として「塗装工事を開始する前に申請」しなくてはいけません。すでに工事を開始、あるいは完了している場合、ほとんどが申請できず受理されません。 - 提出書類の不備
意外と多いのが提出書類の不備でスムーズに申請することができないことです。
建物別の外壁塗装助成金について
各自治体による外壁塗装助成金制度は、主に「家・戸建・自宅」などの一般住宅と「アパート・マンション」といった集合住宅に分かれて外壁塗装助成金制度がございます。
家・戸建て・自宅の外壁塗装助成金について
一般住宅に対しての助成金は省エネ対策以外にも条件を満たしていれば 、外壁改修・塗装・外構・増改築工事など様々な工事で申請が可能です。
- 工事費が○○万円以上
- 市区町村内の業者による工事
- 建築後○年以上経過
- 工事完了日から○年以上居住すること
アパートの外壁塗装助成金について
アパートの外壁塗装助成金の場合、省エネ対策のための外壁・屋根塗装工事が対象になることがあります。断熱性を高める目的の工事(断熱改修工事)、熱を遮ることを目的とした工事(遮熱塗装工事)などが挙げられております。
マンションの外壁塗装助成金について
マンションの外壁塗装助成金の場合、アパートと同様に、省エネ対策のための外壁・屋根塗装工事が対象になることがあります。断熱性を高める目的の工事(断熱改修工事)、熱を遮ることを目的とした工事(遮熱塗装工事)などが挙げられております。※アパートとは、「助成金額や条件(管理組合が申請など)」が異なる場合がございます。最近では、マンション等の集合住宅向けの耐震補強等に関する補助金・助成金制度も増えてきております。
外壁塗装ではなく、屋根塗装でも助成金がある
多くの自治体では、外壁塗装だけではなく 、屋根塗装に関しても助成金申請が可能になっております。
屋根・屋上における高反射率塗料を使用した工事にて、「国内の第三者機関における日射反射率が50%以上」又は「同等以上の性能」など条件はありますが、多くの自治体で、「助成対象経費の1/4」または「施工面積㎡×助成単価」のいずれか小さい額が支給対象になることがあります。
- 高反射率塗料は太陽光(近赤外線)を反射する機能があり、室内温度を下げる効果を持つ為、一般的な塗料と比べ費用が高くなるが、気温が高い日にエアコンを利用する時間が減り、省エネ対策として各自治体が「補助金」「助成金」を設けている場合があります。
- 高反射率塗料(遮熱塗料) 耐用年数10年~18年単価相場2,800円~4,800円
- シリコン塗料 耐用年数10年~12年単価相場2,000円~2,500円
※工事総額は、坪数・㎡数によって変動するため、現場調査後に正確な単価が出ます。
助成金以外でお得にする方法
助成金ではなく火災保険が利用できるケースがある
実は外壁・屋根塗装にも火災保険が適用される場合があることをご存じですか?
- 外壁・屋根の破損が災害や日常生活上の事故によるものであること
- 被災から3年以内に申請を行うこと
- 損害の補修にかかる費用が火災保険の免責金額を超えること
など、保険会社が定める条件を満たす場合、修繕する為の工事費用を保険会社から出して貰える事があります。
※保険支給の可否については、保険会社による審査基準・保険対象(落雷・風災・雪災など)により異なっているため、必ずしも申請できるわけではございませんのでご注意ください。
火災保険適用までの流れ
ここで簡単な火災保険適用までの流れをご説明いたします。
- 保険会社へ連絡 まずは契約をしている保険会社に連絡をしましょう
- 修理業者への連絡・見積もり依頼
- 書類(保険金申請書・事故状況説明書)の作成
(主に、保険金の請求書・事故の報告書・修理箇所の見積書など) - 保険会社へ書類を送付
- 保険会社による鑑定人の調査 申請を受けた損害保険会社が、損害鑑定人をお住まいに派遣し、損害現場を調査します。
- 調査結果をもとに、損害保険会社が審査を行う
- 保険金の支払い 申請内容が認められれば、無事に保険金が支払われます。
塗装工事自体の費用を抑える
外壁塗装の費用をお得にしたいのであれば、そもそもの工事費用を抑えるのもおすすめです。費用負担を抑えるポイントは以下の3つです。
キャンペーンを利用する
「秋のリフォームキャンペーン」「新春キャンペーン」「在庫一掃キャンペーン」など業者によって様々なキャンペーンを行なっています。
会社によってキャンペーンの内容が違いますが、キャンペーン中に工事するのがおすすめです。見積もり依頼した業者にキャンペーンなどをやっていないか確認してみましょう。
閑散期に塗装する
夏や冬は閑散期となるので、お得に工事して貰える場合があります。値引き交渉をする際は「時期は任せるのでもう少し費用下げてもらえませんか?」と聞いてみるのも良いでしょう。※無理な値引き交渉はNGです!
地域密着型塗装専門店に依頼する
下請けへのマージンが発生しないので、その分適正価格で工事することが出来ます。お得に工事したいのであれば職人を抱えている塗装専門店へお願いしましょう。上記の方法は、工事の品質を下げずにお得に工事できる方法です。外壁塗装は大手ハウスメーカーやリフォーム事業者、ホームセンターや家電量販店などに依頼できます。しかし費用を抑えたい場合は地域密着型の事業者への依頼がおすすめです。大手ハウスメーカーやリフォーム会社は下請けの事業者に依頼するため、仲介手数料が発生する場合が多いです。地域密着型の事業者は仲介手数料分が安くなることに加え、地元での評判を落とすと後々の仕事にも影響があるため、信頼できる作業をしてくれるでしょう。→参考記事はコチラ
※工事費用を下げるために、外壁の塗料のグレードを下げたり、必要な項目を削るなどはお勧めしません。適正価格で高品質な工事にしていくのが長い目で見ると得策です。
外壁塗装の助成金・補助金の情報まとめ
リフォームに関する助成金・補助金は、10~20万円程度とそれなりに大きな金額が動くため、それ相応に準備や手続きの手間がかかります。
希望する助成を受けられるよう、十分な調査と検討を重ねたうえで申請に臨みましょう。
助成金・補助金を受け取るには、「見積もりの取得→申請書の提出→工事→報告書の提出→助成金の請求・受け取り」というような流れになります。
ご参考までに、令和6年の横須賀市では外壁塗装工事を含む助成金(補助金)制度があります。
横須賀市
制度名 | 令和6年度 高齢者住宅リフォーム補助金 |
申請期間 | 令和6年4月1日(月曜日)から令和6年5月31日(金曜日)まで 混雑のため、郵送による申請にご協力をお願いします。郵送申請の場合、5月31日の消印有効です。 受付終了後、応募件数が募集件数を超えた場合は抽選を行います。抽選会は6月20日(予定)です。 交付決定は6月下旬となる予定です。市の交付決定を受ける前に工事を始めた場合は対象となりません。 抽選で200件を予定 同一の住宅1戸につき1回限り。令和4年度または令和5年度に高齢者住宅リフォーム補助金を受けた方は、申請できません。 |
補助金額 | 税抜き20万円以上の対象工事に対して、一律10万円を補助 |
補助金の対象 | 横須賀市内に自ら所有する住宅(一戸建て住宅、共同住宅(マンション)の専有部分、併用住宅の住宅部分)であること 申請者(=住宅所有者)が対象住宅に自ら居住し、申請日時点で65歳以上の方と同居していること(申請者自身が65歳以上の場合も含む) 横須賀市内に本店(本拠地)のある事業者に依頼し、税抜き20万円以上の対象工事(「6.補助金の対象となる工事・ならない工事の例」を参照)を行うこと 市税を滞納していないこと 暴力団員ではないこと 令和4年度または令和5年度に市の高齢者住宅リフォーム補助金を受けた住宅ではないこと |
対象工事 | 事業者:市内事業者 対象となる工事例(補助金利用可能) 1.増築工事または減築工事(景観に関する手続き対象の可能性あり) 2.台所、浴室、洗面所またはトイレの修繕工事等 3.住宅内の機械設備工事(給排水、給湯、換気、電気、ガス設備工事) 4.オール電化住宅工事 5.屋根のふき替え工事、塗装工事または防水工事(景観に関する手続き対象の可能性あり) 6.外壁の張替え工事または塗装工事(景観に関する手続き対象の可能性あり) 7.部屋の間仕切りの変更工事 8.床材、内壁材または天井材の張替え工事、塗装工事等の内装工事 9.床、壁、窓、天井または屋根の断熱改修工事 10.ふすま紙若しくは障子紙の張替えまたは畳の取替え 11.雨どい等の取替え工事または修理工事(景観に関する手続き対象の可能性あり) 12.建具または開口部の取替え工事または新設工事(景観に関する手続き対象の可能性あり) 13.耐震改修工事 14.防音工事 15.バリアフリー改修工事(敷地内のバリアフリー改修工事を含む) 介護保険住宅改修費、重度障害者住宅設備改良費、その他、市が行う他の補助制度等との併用はできません。 国が行う「住宅省エネ2024キャンペーン」との併用はできません。 |
提出書類 | (1)補助金等交付申請書(Word(ワード:53KB)/PDF(PDF:279KB)/記入例(PDF:205KB)) ※申請書は市役所、行政センター、コミュニティセンター、役所屋などでも配布しています。 (2)リフォーム工事の見積書の写し(横須賀市内に本店や本社のある事業者が発行したもの) (3)住宅の外観写真(前面道路などから、対象の建物を特定できる画角で撮影してください) (4)リフォームを行う箇所の、施工前の状況を写した写真 申請書や事業のチラシは、令和6年4月以降に、市役所や行政センターでも配布予定です。 (4)の写真について、屋根の上など、申請前に撮影することが難しい場合は、事前に提出していただく必要はありませんが、施工業者に施工前の写真撮影を依頼し、交付決定を受けた後、なるべく速やかにご提出ください。 |
提出先・ お問い合わせ | 提出先:〒238-8550横須賀市小川町11番地 横須賀市役所都市部まちなみ景観課 住まい活用促進担当 宛 都市部まちなみ景観課 担当:住まい活用促進 横須賀市小川町11番地 分館3階 <郵便物:「〒238-8550 まちなみ景観課」で届きます> 電話番号:046-822-8077 内線:2696 ファクス:046-822-8537 |
URL | 令和6年度 高齢者住宅リフォーム補助金~詳細ページ |
横須賀市にお住いの65歳以上の方は自治体の申請方法に沿ってぜひ申込を行なってください。申請は年度ごとに予算を組んで行なっているので、お早めに申請することをお勧めいたします。
高額にもなる外装リフォーム費用の負担を少しでも軽くするために、是非お住まいの市町村にお問い合わせをしてご確認ください!
地域密着型の塗装専門店、横須賀の(株)昌栄にも、外壁リフォームに関する助成金・補助金についてお気軽にご相談頂ければと思います!