外壁塗装をする際に避けて通れないのが「足場」の問題です。
見積書を見ると、足場に一定の費用がかかっていることがわかります。
足場があった方が良いのは分かるけど、出来れば安く済ませたい。費用は実際いくらくらいかかるの?そもそも足場って絶対に工事するときに必要なの?そんな風にお思いの方も少なくはないのでしょうか?
足場の費用は外壁塗装費用の約2割とも言われています。結論から申し上げますと、足場が無料になることはありません。費用削減のため足場代は省きたいかも知れませんが、足場は不可欠です。そしていわゆる「足場費用無料」とは業者に騙されやすいポイントです。この記事では、なぜ足場費用は無料にならないかを順を追って説明しています。契約を結ぶ前に、ぜひご一読ください。
外壁塗装の足場の必要性
スタッフの安全確保
一般的に、2階建て住宅の高さは5~6メートルです。労働安全衛生法では、2m以上の高所作業では、職人の安全性確保のために足場の組み立て等の安全対策が義務付けられています。つまり、足場を設置しないと違法ということです。
足場があれば、万が一作業中に足が滑ってしまったとしても落下を防げますし、足場の周りにはメッシュシートも張ってあるのでさらに安心です。
転落事故が発生してしまった場合、お客様の精神的負担にもなってしまいます。皆が気持ちよく施工するためにも、足場の設置が必要と言えます。
施工品質を保つため
はしごや脚立の様な不安定な場所での施工は、作業がとてもしにくくなり、工事の品質も良くないでしょう。職人の良し悪しに関わらず、塗り忘れや塗り残しが出てきてしまいます。断熱や遮熱機能付きの塗料を使用したところで、丁寧に塗装されていなければ、効果を発揮することができません。足場を設置することによって、作業スペースが増え足元が安定し、手元が狂いにくくなります。脚立にはスペースがないため、物や人の落下や、施工ミスのリスクを高めてしまいます。そして、塗装の工程が予定通りに進まず、工期に間に合わせるために適当になってしまう恐れもあります。
近隣への配慮
外壁塗装をする際は、洗浄による水しぶきや汚れの飛散、塗装中の塗料の飛散が考えられます。塗料の「飛散防止ネット」には、それらの飛散を防止してくれる働きがあります。ですが、足場を設置しないとこのネットはつけられません。足場無しで外壁塗装をし、ペンキが他の家に飛んでしまった場合、塗装業者の工事保険は適応されないでしょう。足場を設置していないというのは業者の過失とみなされるからです。近隣住宅に汚れがついてしまうと、大きなトラブルに繋がる可能性もあるでしょう。
足場の費用、単価について
足場費用は、一般的に足場架面積に足場の単価を掛け合わせて算出されます。建物が大きくなるほど、屋根が高くなるほど、足場の面積が増えるため金額も高くなります。
目安として、一般的な30坪程度の戸建ての場合には、足場代は15~20万円程度です。「工期が長引いた場合は、足場代が余分にかかるのか?」と心配されるお客様がいらっしゃいますが、工期が長くなったからといって足場代が特別に高くなることはありません。
足場架面積 = ( 建物の外周(m) + 8m ) × 家の高さ(m)
足場費用 = 足場架面積 × 平米単価(600~1,000円)
足場代に含まれる費用は、足場やシートを建設する、または解体する費用、そしてそれ以外にも、作業期間中の足場やシートのメンテナンスも含めた金額になります。お家の状況によっては費用が高くなるケースもあります。足場の費用の違いは、単純に費用が高い足場屋さんを使用している場合があります。選ぶ会社によって費用に差が出るポイントです。しかし、具体的な理由がない場合、足場代に利益を上乗せしている可能性もあります。費用の違いをきちんと説明できる会社を選びましょう。
追加費用が掛かる場合
・傾斜地や車両が入れないような狭い路地奥にある建物の場合
・隣の建物が近く足場を建てるスペースが極端に狭い場合
・足場が干渉するカーポート等がある場合
・工事中に別途駐車代がかかる場合
・ガードマンを依頼する必要がある場合
例えば、斜面に建っていて1階部分がコンクリートの掘り込みの車庫で、道路から家まで高低差があり、隣との隙間が狭く裏側まで部材を運ぶのが困難な場合などは運搬費がかかると思ってください。
足場に関するトラブル
保険への加入の有無、保険の対象となる範囲を確認しておく
足場の設置や解体の際に、資材で建物や車などを傷つけてしまうことがあります。長さのある鉄パイプなどを運ぶため、慎重に作業をしていても万が一の事故はあり得ます。
被害が発生した際、業者に補償してもらおうと思っても、塗装会社の下請けであるパターンが多いため、責任の所在が不明となってしまうことがあります。
このような事故に備え、塗装業者は保険に入っています。塗装業者が足場業者へ外注している場合には、塗装業者の保険の範囲内となるのか、足場業者の保険が利用できるのか、事前に確認しておくとよいでしょう。
そして、保険に加入している場合は、保険の対象範囲がリフォーム箇所以外、工事関係者以外の人も含まれているかも調べておくと確実です。
自宅の敷地だけではスペースが足りない
足場のトラブルで一番大変とも言えるのが、ご家庭の敷地だけでは足場を作れないときでしょう。
家の敷地だけでは足場を設置することができない場合、隣の敷地を借りて足場を組むこともあります。隣の家の方にご協力を快諾してもらえるよう、挨拶に同行してくれるような親切な業者に依頼すると安心です。
「隣の人が留守にしている間に、勝手に組んでしまえば良い」と提案する、ずさんな業者も稀にいますが、このような無責任な会社とは絶対に契約してはいけません。裁判沙汰になったら、不利になるのは施工を依頼したご自身です。他人になるべく迷惑をかけず、的確な塗装を一緒に考えてくれる会社に依頼しましょう。
庭の木や物置きが邪魔で足場を設置できない
足場を設置する場所に物置や植木などがある場合、移動をすることになるでしょう。
移動は、お願いすれば業者が手伝ってくれることが多いです。移動が難しい場合は、物置や植木をまたいだ形で足場を設置することもあります。ただし、地植えの大きな木で外壁にかかってしまっているものは、枝を伐採することもあります。この場合、状況によって別途費用がかかります。
外壁の傍にある車は移動が必要な場合がある
足場工事の日には、基本的には車を移動する必要があります。車を傷つけないため、そして資材の搬入スペースを確保するためです。敷地が広い場合は、車をそのまま置いておくことができる場合もあります。しかし、敷地内のあちこちに資材が置かれ、職人が歩きまわるので、車の出入りは避けた方がいいかもしれません。詳しくは業者に相談してみましょう。
足場が無料と言われた場合
一部の業者、特に訪問販売で多いのが、売り文句として「キャンペーンで今なら足場代が無料」とか「近所で塗装をしていて運搬費がかからないから足場代をタダにする」と、足場を無料にすることでお得感を出し、契約を急かす典型的な手法です。お得だと思って契約をしてしまわないようにしてください。足場は、組み立てて解体するのでかなりの労力が必要とされ、その分費用もかかります。足場の設置は安全かつ質の高い外壁塗装をする上で必ず必要で、足場工事の費用は、平均的な30坪程度の2階建て戸建てで15~20万円程度になります。このような大きな金額が無料になる事は考えにくく、他の費用に上乗せされることがほとんどです。
完全に自社の利益を削って足場無料なら良いかもしれませんが、それでも無料になるのは考えにくいです。もしも足場無料と宣伝する業者がいた場合は、その他の工事に上乗せしていると考えられます。例えば、塗料の単価を高くするなどです。倉庫の屋根や勾配のないトタン屋根など平坦な部位を塗装する際、かつ周囲に飛散しても問題のない場合は足場をかけずに塗装をすることがあります。その場合ですと、当然足場にかかる費用は0円となります。ただし2mを超える高さでの作業には、足場設置などの安全対策をとることが労働安全衛生法で定められているので、一般住宅の場合足場をかけなくても良いというケースはほぼありません。
まとめ
足場は【安全確保】・【丁寧な作業】・【近隣への配慮】・【法令遵守】の観点から必要不可欠なものとなります。
費用相場は30坪2階建てのお家で10~20万円ほどです(場合によっては追加費用が掛かるケースもあります)
そして、足場費用には一定の費用がかかるため、高いと感じる方も多いと思います。しかし、そんな消費者心理につけこみ、あの手この手で罠を仕掛けてくる悪質業者がいることも忘れてはいけません。「足場を無料にします」という甘い言葉の先には、罠が待ち受けています。
見積もりを見る際は足場代だけでなく総合的に判断された方がよいかと思います。
足場代が1m²あたり700円だから安いとか1,000円だから高い、という風に足場だけを見るのではなく他の項目も見てみてください。足場が安くても肝心の塗料が高ければ総合的に金額は高くなりますし、逆もまたしかりです。何の項目にどのくらいのお金がかかっているのか、手間ではありますが1つ1つを確認し、総合的な判断をすることが業者選びで納得のいくコツです。
今回ご紹介した注意点を意識して、後々のトラブルを未然に防げたら幸いです。
横須賀市、三浦市、逗子市、葉山町、湘南エリア周辺にお住まいで、何かご質問や疑問点等がございましたらお気軽に昌栄までお問い合わせください。